2019/11/28

 去る令和元年11月15日(金)、日本未来科学館において国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)主催のサイエンスアゴラ2019内のイベントとして「STI for SDGs」アワードの受賞式が行われ、当社を含む産官学連携チーム(高知大学・香南市・高知県・前澤工業株式会社・日本下水道事業団の5団体)に『優秀賞』が授与されました。

 この取組において、開発・普及展開された技術「OD法における二点DO制御システム」は、平成27年度(第8回)循環のみち下水道賞グランプリ、日本水環境学会 平成27年度技術賞に次いで三度目の受賞となります。

 またサイエンスアゴラ 2019の会場であるテレコムセンタービルでは、11月16日(土)∼17日(日)には、「STI for SDGs」アワードの受賞取組のブース展示が行われたとともに、17日(日)午後には、受賞団体によるピッチトークが開催されました。

受賞した取組

取組名

汚水処理の持続性向上に向けた高知家(こうちけ)の挑戦 ~産官学による新技術開発と全国への展開~

取組概要

 高知県は汚水処理人口普及率が全国ワースト3位であり、さらに人口減少や厳しい財政状況に直面しており、地域の都市基盤としての汚水処理施設の普及および持続性向上が課題となっています。

 本取組では、高知大学の研究シーズをもとに、反応タンク内に設置した溶存酸素濃度計を用いて、送風量と循環流速を自動制御する汚水処理新技術「OD法における二点DO制御システム」を産官学の連携により開発しました。同技術は香南市野市浄化センターで電力を3分の1、処理時間を半分に減少し、処理コストも削減できることを実証しました。この結果を踏まえ、同市内で本技術を2ヵ所に導入した他、さらに他の自治体へも水平展開を行っています。これにより、人口減少が進む地方都市における汚水処理の持続性が向上しました。

 

詳細は以下の「取組の概要」をご覧ください。

受賞理由

 本取組は選考委員会において、開発された新技術の成果が実証されており、日本各地への展開も開始していることから、科学技術イノベーションの活用、展開性の項目において、評価されました。

 また、本取組は地道な研究による確立された基盤技術を、産官学の共創により実用化につなげ、汚水処理能力の向上、持続可能なまちづくりを実現した好事例として高く評価でき、優秀賞にふさわしいと判断されました。

表彰状授与の様子
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表彰状授与の様子
産官学連携チーム全体での記念撮影
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産官学連携チーム全体での記念撮影
ピッチトークの様子
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ピッチトークの様子

■新聞への掲載

表彰式の模様等が2019年11月21日付水道産業新聞に掲載されました。

 

■「STI for SDGs」アワードとは

 JSTが実施する、科学技術イノベーション(Science, Technology and Innovation: STI)を用いて社会課題を解決する地域における優れた取組を表彰する制度(2019年度創設)。本制度を通じ、当該取組のさらなる発展や同様の社会課題を抱える地域への水平展開を促し、SDGsの達成への貢献を目指しています。

詳細は公式ホームページをご覧ください。

 

【お問い合わせ先】

 環境事業本部環境ソリューション事業部 官需推進部

 TEL:048-253-0907